サイト運営主の雑記

「スピリチュアルズ」、メモ

生物の基本プログラムは「報酬を好み、損失を避ける」

すべての資源は有限で、最小限のコストで目的を達成するのに最適化されている。

感情はこのエネルギー管理を効率的に行うために進化した。

快不快、覚醒鎮静による「感じ」

人の感情が多岐にわたるのは言語と親密でとても複雑な社会性のある生活環境による。

怒り、喜び、悲しみなどの感情は群れの中で生存や生殖に有利な評判を獲得するための進化的適応なのだろう。

ビッグエイト

外交的内向的:明るいか、暗いか

楽観的悲観的:精神的に安定しているか、神経質化

同調性:みんなと一緒にやっていけるか、自分勝手か

共感力:相手に共感できるか、冷淡か

堅実性:信頼できるか、あてにならなか

経験への開放性:面白いか、つまらないか

知能:賢いか、そうでないか

外見:魅力的か、そうでないか

本書の3つの原則

心は脳の活動である。

心は遺伝の影響を受けている。

行動遺伝学では身体的特徴だけではなくパーソナリティの遺伝率も50%以上かそれ以上になる。生活、知能、発達障害、精神疾患までの心についての議論は行動遺伝学の知見と整合的でなければならない。

心は進化の適応である。

自然淘汰の圧力は身体だけでなく心(脳)にも及んでいる。喜怒哀楽や人の選択や行動や社会の構造まで利己的な遺伝子の強い影響を受けている。

外交的内向的(報酬系の個体差)

脳が快適に感じる覚醒度はほぼ決まっている。どれくらい刺激を求めるか。

外交的:刺激位に対して鈍感な人は覚醒度を上げようとして強い刺激を求める

内向的:敏感な人は強い刺激を避ける。

これは身体のエネルギーは有限であるという制約から説明できる。

エネルギーを使って食べ物や生殖相手を探しに行くか、エネルギーを温存するかの戦略の程度の違い。

分布としてはベルカーブ

行動遺伝学では半分程度が生得的

ドーパミンは期待物質で報酬-予測誤差

楽観的悲観的(損失系の個体差)

シミュレーションがネガティブに向かう傾向のばらつき

遺伝と文化の相互作用でランナウェイ的な共振化が起こり、とてつもなく高度なシミュレーション能力を発達させなければ、人は社会という危険な環境で生き延びることができなかった。

精神的に安定している人は過去や未来についてのシミュレーションが楽観の方向に傾いているが、神経症的な人は悲観の方向に傾いてる。

心理学の研究では脳は基本的に楽観主義出ることが繰り返し示されている。それは楽観的な方がうまくいくからだ。

楽観的な人は他人に責任を転嫁する自己中心で非案的な人は自分で責任を引き受けようとする利他主義だ。

脳に強い楽観主義バイアルがあることで悲観主義者は常に少数派になる。この非対称性が神経症傾向の強い人にとって、自分以外のだれもが楽観的でうまくやって言えるように見えるという孤独や絶望感につながるのではないだろうか。

悲観的な人は楽観主義バイアスから自由なことで、課題に対してより正確な答えを導き出せる。

うつ病は偏桃体という脳の局所的な部位に特化した症状ではなく、シミュレーションネットワークがネガティブな方向に偏ってしまう症状で、その結果思考が過去への公開や未来への不安の無限ループにはまり込んでしまう。幻覚剤や脳深部刺激は自己を後退させたりシミュレーションの流れを変えることでネガティブな偏りを修正するのだろう。

同調性(集団の圧力に対する反応ばらつき)

みんなで決めたことをはできるだけ協力する、いつ他人の立場になって考えるようにしている→同調性

私は思いやりがある、どちらかというと人情に厚い方です→共感力

アッシュの実験では手段によるプレッシャーを受けると視覚の認知そのものが変化することを示している。間違っていると知りながら仲間外れを恐れて誤答したのではなく、同調圧力によって視覚が変容し、線の長さが同じに見えたのでそのように答えただけだった。

私たちは無意識のうちに常に自分が場違いではないかどうかを検証している。場違いな共同体に紛れ込んだら、トラやライオンなどに遭遇するのと同様に、生存への重大な脅威となる。自分が少数派でなおかつ優位性がないとスピリチュアルが感じる場合にはがしく警告のアラームが鳴る。

脳画像上では肉体的な苦痛による反応と仲間外れにされた時の反応は同じ反応をする。

仲間外れの痛みは徹底的に社会的な動物である人が、共同体から孤立する潜在的な危険を避けるための適応として進化してきた。これが今では学校でのいじめによって登校拒否になったり、自殺に追い込まれる原因となっている。

脳にとっては自分より劣ったものは報酬、優れたものは損失で他人の失敗を喜び成功をねたむように進化の過程で設計されてきた。

思春期に入ったとたんに性愛をめぐる激しい競争に巻き込まれるから、たとえ社会が階層化していなくても競争に勝ったものがより多くの賞賛とよりよい性愛の相手を獲得できtことは間違いない。

精子と卵子のコストの大きな差から男は競争し、女は選択するように進化してきた。

分布はべき分布かも??

共感力

高度な脳を持つ社会的な動物は近しい人の苦しみを不快だと感じるように進化したのだろう。

オキシトシンを失っただけで社会的な動物であるマウスは仲間を認識する能力がなくなり、群れから離れて孤独を好む気難しいマウスになった。テストステロンにはオキシトシンを抑制し、共感や信頼を引き下げる作用がある。

男性の教官力が低い理由は男女の性愛の非対称性から、男がヒエラルキーの上位を目指して常に競争していて、ライバルを叩きのめすのに共感は邪魔だから。

女は共感力が高く、男の共感力は低い。

共感:相手の気持ちを感じること

メンタライジング:相手の心を理解すること

共感とメンライジングの4象限でコミュ力が高い、サイコ、コミュ力が低い、アスペに分類

他者と感情を共有できるのは相手の動作や表情、それに伴う心理状態を模倣するように脳が作られているから。

堅実性

分布はベル分布だが、男性の方が分布のばらつきが大きい。女性は平均近くに集まる。

これが女性が男性よりもまじめだと言われる理由ではないだろうか。

経験への開放(意識というモニタの解像度のばらつき)

LSDのような幻覚剤はDMNと呼ばれる自己の中枢を一時的に後退させると考えらえれている。DMNは何を意識し何を意識しないかの関門の役割を果たしている。情報管理をしているDMNの活動が低下すれば意識には突然大量のデータが流れ込んでくる、その結果、脳は支離滅裂な情報の洪水を何とか処理しようとして、誤った結論に飛びついたり時には幻覚を見せたりもする。

あまりにも大量の情報に圧倒されると、脳は必死に新しい現実予測を作り始め、無理にすじを通そうとする。これが幻聴や幻覚で悪化すると統合失調症と診断される。

低エントロピーの最末端に位置するうつ病や強迫神経症は精神障害すなわち脳の秩序が失われたからではなく、むしろ秩序がきつくなりすぎて生じた。内相があまりに習慣化してしまうと自我の力が支配的になり反芻という内省ループから逃れられなくなりどんどん周囲の世界から自分の中に閉じこもっていくことになる。

それに対して高エントロピー脳ではDMNの視覚情報処理系など何かに特化したネットワークが後退する一方それ以外のネットワークとよりオープンに交流するようになるいわば様々な脳内ネットワークの専門性が緩む。近く情報同士の連携が生じる。

稲作型村社会では人口が超密になり複雑な人間関係が強い淘汰圧になって、それに適したパーソナリティが進化したと考えらっれる。特に日本列島は狭い平地に多くの人間が暮らすようになったことで村社会化が極端なまでに進み共同体の輪を乱すものが嫌われ排除されるようになった。それで自己家畜化された。

日本人の特性と考えられる3つのパーソナリティつまり、内向性、高い神経症傾向、低い経験への開放性から日本社会を説明できるのではないか。残酷な村社会を生き延びるために、日本人は他社の些細な表情や言動に敏感に反応し、楽観よりも悲観的に考え、冒険をせずにリスクを避けるように進化して、それが保守的で権威主義的な社会を生み出した。

成功するor失敗するパーソナリティ

共感力は明らかな性差があり、堅実性は平均が同じでも女に比べて男の方が分散が大きい。

パーソナリティの遺伝率は平均すれば50%程度とされている。

知能については年齢とともに遺伝率が上がり、思春期をすぎると70%を超えることが分かっている。

徹底的に社会的な動物である人は、自分を集団と一体化すると同時に、集団の中で自分を目立たせるという極めて複雑なゲームをしている。それぞれの集団には固有のしるしがあり、それを身に着けていないと排除されてしまう。これがアイデンティティ(帰属意識)で人類が進化の大半を過ごした旧石器時代には、集団に属していない個体は生き延びることができなかった。

生存(生き延びるために特定の集団に一体化すること)と生殖(異性を獲得するために集団の中で目立つこと)のためには社会的アイデンティティと個人的アイデンティティを巧みに操らなければならない。

その人らしさは複数のパーソナリティから特に目立つものを選んで、それを正確としてステレオタイプ化し人間関係を簡略化しているのだろう。

従来遺伝子の突然変異の頻度を考えれば、人の遺伝子は旧石器時代と何も変わらないとされたが、犬がわずか200年ほどで多様な犬種に分化したように人間も環境に合わせて自分で自分を家畜化していくことで、人集団によって異なる遺伝的傾向を持つようになったと考えるは理にかなっている。

現代社会で成功するには情動的知能、社会的知能、創造的知能が必要だとされる。

情動的知能は感情を適切に抑えることができる自己コントロール力のことで高い知能高い堅実性の組み合わせだ。

社会的知能は社会の中で様々な人と上手にやっていける能力でこれは高い知能高い教官力の組み合わせだ。

創造的知能はイノベイティブなことで高い知能+高い経験への開放性の組み合わせだ。

自己啓発本の8つのテーマ

進化心理学では現代人が抱える困難を旧石器時代の脳でアスファルトジャングルを生きていると説明する。人の脳の基本プログラムは数百万年の旧石器時代を通じて徐々に作られてきた。いくら自己家畜化したからと言って、わずか1面年でそれを定住、農耕という新たな環境に合わせるのは難しいだろうし、わずか400年程度の知識社会への遺伝的適応は全く不可能だ。このようにして現代はリベラルな知識社会でうまくやっていけない膨大な人を生み出すことになった。

自己啓発本では本書の8テーマについての教えについて記載されているが、パーソナリティは簡単に変えられない。パーソナリティの遺伝率は平均して5割程度だが、残り半分は非共有環境でこれは友達関係などの偶然に大きく左右される。そして、子育ての努力はパーソナリティ形成にほとんど影響を与えない。

意志力を振り絞ってパーソナリティを強制し、自分を変えようと努力するよりも、多様なニッチの中から自分のパーソナリティにあった場所を見つけるほうがずっといいのではないだろうか。

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